古きを尋ね迷宮の扉を開くU

自然と野生ラン誌 2009年3月号P83〜P85掲載
    
少名彦らん遊会 セッコク特別企画 
ラン誌掲載元画像を馬鹿殿が大将のご協力により横撮りに成功
 好き者雷電大将 セッコク・長生艸の品種解明真剣な取り組み貴重な研究と判定して城にて後方支援公開です、貴重な栽培観察画像として資料公開、日本園芸伝統伝承古典園芸、変異変化も多いですし正確変異や変化の経過品種の詳細な進化の経緯来歴は画像内の無い時代〜伝承品芸姿は口伝です。芸姿??本元本種解明追求も栽培の愉しみです、温故知新、奥深い葉芸姿伝承の姿、貴重な大将の記録画像から迷宮の扉が開かれる平成の栽培研究今後の資料として公開です。解説説明はラン誌投稿原稿を掲載大将の草稿により書き込みしてます何時もの通り馬鹿殿の楽書きも入ってます。・・、  

掲載写真の 私的推測 系統図

図中・・・で繋がる品種は未確認ながら実生も含めて過去に何か関連性があったと疑っている部分。は私の棚での芽代わりを含め、きちんと関連性が確認されている * 日本長生蘭連合会では『友安丸』が『青糸晃』に吸収合併?済み。私の見解とは異なり、『友安丸』は存在しない。『如意』に関しても今日の名鑑から外されている。また、『金雀深覆輪』は独立命名されておらず『金牡丹』である。

 紫覆輪  無地葉  黄覆輪  淡黄覆輪茶杓芸
 青紫晃K
  ↓
・・・・・  友安丸
 如意bP@
・・・・・
金雀の柄ヌケは友安丸酷似
・・・・・・・  金 雀E
 友安覆輪D
 如意bR−2C
・・・・・  茶杓丸A
 如意bRB
 大虹ラベルG
   
  
   
   
 
   
    
    ・
    ・
    ・

    
  柄ヌケ   
  
      
  
 
    
   


 


       千鳥芸
 葉縁コンペ         ・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・  金銀千鳥J
 如意bQI
青紫晃コンペL

   
 青牡丹H
 葉元コンペ
   
   ・
   ・
 金雀深覆輪F

   

 


  →・・・・
     
   
    ・
    ・
・・・・・



   
 ↓
    
   

 ↓

縁コンペ芸
 青紫晃M
 羅紗覆輪
・・・・・・・・  (金鯱錦)  (金牡丹)
青紫晃K
『青紫晃』(せいしこう)覆輪
平成20年大将の考察進言により日本長生蘭連合会審議の結果名鑑登載品種名は青紫晃と改名されました。
現在は青紫晃 旧名(青糸晃)(友安丸)
如意bQI
として入手下の青紫晃コンペLと同品種と推定。
青紫晃コンペL
安丸如意bP@@
大将が『如意』(bP)として入手した固体。しかし、『金星』とは花が全く違う白花が咲き、また矢の形も違う、(『金星『』は基部が太る)のでラベルを疑う。コンペも覆輪も無く『友安丸』に酷似。『青牡丹』のような紫覆輪は入らない。
『青牡丹』
(せいぼたん)

明治21年の長生蘭見立鑑に一品物として記載。『金雀』の柄抜け(大将は友安丸に酷似と思う)が、コンペ牡丹に変化。
青紫晃M羅紗覆輪
『金牡丹羅紗』で入手したが『青紫晃羅紗覆輪』と思う。
花の開花確認が待たれるね。
金 雀E
(きんすずめ)。黄覆輪。
友安覆輪D
『友安丸覆輪』として入手したもの。下の『如意』bR−2。に似ている。
如意bR−2C
『如意』bR−2。雷電山で『如意』(bR)のコンペ芸の抜けた固体。『茶杓丸』のコンペ抜け又は『金雀』にもよく似ている。
金雀深覆輪F
『金雀』の芽変わり。黄深覆輪に変化。
茶杓丸A
弘化三年(1846)讃岐地方の見立鑑に『布袋丸』と共に掲載されている品種。長生蘭の事典には黄覆輪とあるが、なんとなく白っぽくもあり、白黄覆輪と言うべき、『金雀』の中にも白っぽくなるものを散見する。
如意bRB
『如意』bRとして入手。覆輪が入っているのでラベル間違い。どう見ても『茶杓丸』に似ている。
大虹ラベルG
『大虹』のラベルが付いていた固体。『茶杓丸』に酷似するが花を確認していないので断定出来ず。『大虹』とは昭和後期にM氏の棚で『金星』の芽変わり白覆輪として出たもの。本人命名、木姿や花は『金星』の二倍の大きさに成ると言う。当時T氏に貸し出したまま途絶えたものの、何処かに潜んでいるかも知れないとの事。
金銀千鳥J
『金雀』(ないしはその牡丹芸『金牡丹』)の芽変わりで千鳥芸に変化した固体。斑の色もクリームから白っぽく変化。『金銀千鳥』とでも呼ぶべきだろうか。
茶杓丸 布袋丸 如看
(如意)
金 星  参 考 特 記 事 項 等
弘化三年   ○   ○
明治14年   ○   ○
明治24年   ○   ◎ 『布袋丸』の記載はここで最後
明治33年   ◎ 『如看』初登場
大正4年   ○   ○   ◎ 『金星』初登場 
*この表だけ見れば『布袋丸』の入れ替わりにも見える
大正14年   ○   ○
昭和5年   ○   ○
昭和9年   ○   ○   ○
昭和31年   ○   ○   ○ 『如看』が『如着』と記載、誤字
昭和28〜33年   ○   ○ この間に発行の名鑑に『金星』の記載は無し
昭和34年   ○   ○   ◎ 『金星』が別格稀貴品として登場
昭和45年   ○   ○   ○
昭和47年   ○   ○   ○
昭和48年   ○   ◎   ○ 『如看』が『如意』と改名 現在に至る
平成年代   ○   ○   ○

 名 鑑 へ の 記 載 年 代

 江戸時代から明治の名鑑には、葉縁コンペ芸らしき品種が幾つか掲載される。
代表的なのは『茶杓丸』(葉縁コンペ杓子+覆輪)『布袋丸』(芸特定できず)『如意』(コンペ杓子か) 
大正に入ると『金星』(コンペ)が登場する。 一応、この葉縁コンペ芸品種一群は今日まで伝承されていることになっているのだが、しかし、正確な品種保存がなされてこなかったようだ。
 『金星』ひとつとっても個体差がかなり大きく、あきらかに複数の系統が存在している。コンペ芸の別品種やセルフ実生品、さらには本来はコンペ芸ではない別品種も混ぜ込まれているように感じる(『金雀』『青紫晃』『友安丸』も年によって似た芸をする)。今や専門店でも葉縁コンペに関してはラベルを信用することができない状況。
 長生蘭は我が国を代表する伝統園芸植物なのに恥ずかしいばかりだ。
 愛好家としては、けっして明らかになるこはないものの、そのまま放置しておくこともできないし、気にし始めるといろいろと考えてしまう。以下、個人的な推測ながらまとめる。
 特にややこしいのが『如意』と『金星』の関係。平成に入ってからの図鑑には『如意』の項に「花も木も金星系の固体」が載っており、『金星』の上芸品を『如意』としているようだ。
たしかに、上記の名鑑への登場時期から推測すると、弘化三年に名鑑に記載された『布袋丸』が明治33年に『如看』に改名、昭和48年に『如意』と改名、同じ葉縁コンペの『金星』がその後の大正四年に登場するのだから、何らかの繋がりが有ると考えて良い。ちなみに、私はその昔、専門業者から『如意』は『金星』の実生親と聞いたことがある。この説が正しいかは否かは別にして、今回公開する『如意』(bヘ便宜上付けた番号)はどうみても『如意』では無い。『金星』同様に多くの別品種が混ぜ込まれているのだろう。

 近年、この葉縁コンペの混乱ぶりはさらに勢いを増すばかりで、特に『金星』は実生で覆輪や中透け、また赤花や黄花との交配や多元交雑種まで誕生しており、選別もままならず、まさに氾濫状態である。以上推測終了・・・・・。
平成21年 少名彦らん遊会 雷電大将解説